ナカムラタクヤのナンヤカンヤ2

はてなダイアリーから引っ越しました。過去の記事を統合し、こちらで書きます。

愛と気合とオープンイノベーション

このブログは、まちづくり Advent Calendar 2015 - Adventar 24日目の記事です。

まちづくりネタということで、普段あまり記事としては書かないのですが、書いてみましょう。ちょっと当事者の中に入っているので、書いていてダメージを受けそうではありますが。当事者が自分自身のいる場所に関して冷静な立場から文章を書くことがこんなにも大変だとは思わなかった。

「ソーシャルビジネス」という言葉はご存知でしょうか。

ソーシャルビジネスとは?~ビジネスの手法で、地域や社会の課題に取り組む継続的な事業

私たちの周りには、子育てや介護・福祉、地域活性化、環境保護などの様々な社会的課題があります。このような社会的課題の解決に向けて、住民やNPO法人特定非営利活動法人)、企業などがビジネスの手法を用いて取り組む事業を、ソーシャルビジネスといいます。

人々の価値観やニーズが多様化し、行政だけではこうした社会的課題への対応が難しくなっている中で、社会的課題やニーズを"市場"として捉え、それを解決するための取組を、持続的な事業活動として展開する「ソーシャルビジネス」に注目が集まっています。

ソーシャルビジネスが一般企業の営利事業と最も異なるところは、事業の目的として「利益の追求」よりも「社会的課題の解決」に重点を置いていることです。またソーシャルビジネスがボランティア活動と異なるところは、社会的課題に取り組むための活動資金を、寄付や行政からの助成よりも、ビジネスの手法を活用して自ら稼ぎ出すことに重点を置いていることです。

ソーシャルビジネスの定義については、経済産業省「ソーシャルビジネス研究会報告書(平成20年4月)」[PDF]を参考にすると、次のように説明できます。

ソーシャルビジネスの定義

(1)社会性
現在解決が求められる社会的課題(※)に取り組むことを事業活動のミッションとすること
※社会的課題の例:
環境問題、貧困問題、少子高齢化、人口の都市への集中、高齢者・障害者の介護・福祉子育て支援、青少年・生涯教育、まちづくりまちおこし など

(2)事業
(1)のようなミッションにビジネスの手法で取り組み、継続的に事業活動を進めていくこと

(3)革新性
新しい社会的商品・サービスやそれを提供するための仕組みを開発したり、活用したりすること

ソーシャルビジネスは、定年退職した人が自分の強みを社会のために発揮したり、子育てを終えた女性がその経験を生かしたり、若者が社会問題の解決に自分の生き方を見出したりするなど、「困っている人を支援したい」「自分の能力や技術を社会のために役立てたい」と考える様々な立場の人々が、様々な形で社会と関わるビジネスです。それは、社会的課題の解決と同時に、活動をする人のやりがいにもつながります。また、新たな雇用や新たな市場の創出にもつながります。

さらに、ソーシャルビジネスの多くは、地域の問題解決のために、当事者である地域住民が主体となって立ち上げるケースが多いため、地域おこしや社会の活性化につながる活動としても期待されています。

また、本業として他の営利活動を行う企業が、「企業の社会的責任(CSR)」の一環としてソーシャルビジネスに取り組む例も現れています。

 ということで、行政だけではできない、行政に頼ってばかりもいられないということで、ならば民間で公共性の高いサービスや取り組みをやってしまおうというものです。

再度引用します。

行政だけではこうした社会的課題への対応が難しくなっている

これに関しては、行政だけでなく、企業に関しても似たような状況になってきています。簡単に言うと「1社だけだと大変だからみんなでやろうよ」という話なのですが。この考え方が「オープンイノベーション」だったり「オープンガバメント」なのですがですが、この話はまた改めて。

なぜ「ビジネス」である必要があるのかに関しては、スタッフが疲弊せず、継続的に行うためなどの理由があります。法人形態としては、任意団体やNPO(非営利活動法人)が大部分であり、場合により株式会社、最近だと一般社団法人として起業するところも増えています。

今回はそのあたりの事情について書いていければと思います。

ビジネスとソーシャルビジネスとの違い

先ほどの引用にもある通り、利益を出すことを主眼に置いた一般的なビジネスとは違い(もちろん一部そうでないところもありますが)、ソーシャルビジネスはサービスを継続的に行うためのあくまで手段に過ぎないということです(ちょっと言い過ぎかもしれませんが)。

そうなると、利益が出づらい構造になるというのが実際です。そんな中、どうやって活動を継続していくのか。それが「愛と気合」となるわけです。

ここで質問ですが、あなたがソーシャルビジネスで利益が十分に出せない場合はどうしますか?今回挙げる対処法は大きく分けて2つ。もっと効率的に働くか、もっとたくさん働くかの2つです。(本業の合間に行うという方法もあるのですが、それは別の機会に)

ソーシャルビジネスを行うためには「スーパーマン」である必要がある?

この分野の従事者の多くは、モチベーションも高く、夜も寝る間を惜しんで仕事ができるいわゆる「スーパーマン」が多い場所であります。自らの時間のほぼすべてをその経営に充てるという意味では、広告代理店やテレビ業界などのクリエイティブ職、プログラマ、社長業など、「ブラック」と揶揄されるような働き方を行っていても(モチベーション上は)平気な人たちの世界です。

このような人たちが運営していない、効率的な業務を追求し定時を守らせるなどワークライフバランスを重視した組織ももちろん一定数は存在はするのでしょうが、まだまだほんの一握りといったところでしょう。

そもそもソーシャルビジネスの関しては、扱う分野が広範囲すぎたり、その担当者にしかできない特殊な技能や経験、ノウハウが必要なものが多く、なかなかうまく効率化ができないことが多く存在します。

まとめ

こういった形で、モチベーションの著しく高い創業者の代においては継続するのがこういった組織ですが、そうなると後継者の問題が発生します。それまで俗人的だった経営方法や仕組みが、システマチックに、誰かが倒れたり、万が一亡くなったとしても誰もが引継ぎをできるように仕事を細分化して身に着けられるような環境づくりが必要になります。

このように書くと、一般のビジネスも同じような気がしますが、実際のところはどうなのでしょうか。

ともかくまとめに入ります。

「(今のところ)オープンイノベーションには、愛と気合が必要だ」と締めくくります。

とはいえそんなスーパーマンばかりの職場はいつか持たなくなる。それに備えて、システム化や助長化など、仕事に余裕の持てる環境づくりを行うフェーズに入ってきている、というところがキモです。

具体的にはワークシェアリングの考え方もありますし、副業とはまた別の複数の仕事を掛け持ちする時代も来るかもしれません。そういった状態を先行して進めていくのも面白い試みかと思いますが、どうでしょうか。

ワークシェアリングに関しては、個々人の守備範囲が広がることで、地域に新たなつながりや発展が生まれる可能性が十分にあります。そのためには、その仕事の担当領域、責任の所在をはっきりさせることが前提となるでしょう。同時に関わっているいずれの仕事も中途半端にしてしまうことは最悪の状態なので、と自戒を込めて書いておきます。今後はスマートにいきたいものです。

でもそれってスーパーマン的になってしまうのだろうか。悩む日々が続きます。それでは。だいぶ遅くなってしまいましたが、Advent Calendarネタは以上とします。