ナカムラタクヤのナンヤカンヤ2

はてなダイアリーから引っ越しました。過去の記事を統合し、こちらで書きます。

函館のIT化における情報の世代間格差の打開案

■企画概要

・「SheevaPlug」とRSSを使った安価なデジタルサイネージ構築:

函館のIT化における世代間格差「デジタルディバイド」の解消

配信情報のRSS採用・推進(デジタルサイネージ、その他情報発信における):

情報収集・情報提供に最適な配信方式、デジタルサイネージに最適な情報の提供方式

インターネットによって社会の情報化が急速に進み、情報の量が爆発的に増えています。
とはいえ、その情報の質とそれに関わる発信・閲覧手段はまだまだ発展段階にあるのです。

インターネットは若者を中心に多くの情報を与えてきたましたが、いわゆる「デジタルディバイド」によって引き離された世代はその恩恵をなかなか得られずにいる状態にあります。
そんな中、「デジタルサイネージ」の技術が台頭してきています。
これで、IT化された情報を街中に発信することによって、その引き離された世代をIT技術に近付けさせるという役割も期待できるのです。

函館でもデジタルサイネージでいくつかの事例がありますが、それをできるだけ安価で構築し、更にRSSを使った新しい情報の配信形態モデルを開発することにより「情報のワンソース・マルチユース」を図り、市民の得られる情報の効率化を目指します。
以上に対応した、汎用的で安価なソリューションを開発することにより対外的にそのシステムを販売するという可能性も探っていきたいと思います。

デジタルサイネージのシステムを構築するために

基本的な設備には以下のものが挙げられます。

・情報配信のサーバー等
・情報を表示するモニター兼情報の受信機

ですが、今回のシステム構築には「情報のRSS配信」と「RSSリーダー」が使える装置、つまり以下の二つ、

・既存のRSS配信可能なサイト
・「RSSリーダー」が入っているPC
以上の設備で済みます。極端に言えば、家のPCがそのままデジタルサイネージになるということです。

しかしながら、長期的運用を考えると、以下のことが課題となります。

・消費電力
・画面の大きさ
・画面の見易さ
・表示する情報の的確さ
・インターネット回線の確保

それを解決するために以下のことを行おうと考えています。

(1)デジタルサイネージRSSリーダーの開発
(2)情報のRSS(Atom等含む)配信への移行を促す
(3)消費電力とコストを考慮したデジタルサイネージ機器の構築
(4)有線でネットが繋げない地域向けにはWiMAX等、モバイルインターネット回線を採用する。

■(1)(2)、RSS配信について

(1)デジタルサイネージRSSリーダーの開発:

恐らく、新規に専用RSSリーダーを開発する必要があるでしょう。
先程、デジタルサイネージ向けの情報発信にRSSリーダーが使えると書きましたが、一般的なRSSリーダーは閲覧時に操作が必要なのでいわゆるデジタルサイネージには向きません。
簡単に言えば、函館バスのバスロケーションシステムのように、文字が流れていくようなものを採用する必要があるということです。

更に、動画を配信するには、普通のRSSリーダーには読み込んだ動画を自動で動画を再生する機能を持ち合わせていない場合が多いので更に、老人等デジタルディバイドに晒されている人たちに向けた、読みやすいデザイン・レイアウトのUIを採用する必要が生じるでしょう。

以上の理由により、RSSリーダーの開発が必要になると考えます。
一口にRSSリーダーと言っても、WindouwsやMacLinuxなどのOS依存のソフトウェアではなく、WEBブラウザ上で使えるFlash等がベースのアプリの方が汎用性が高い。
その点は改めて検討したいと思います。

(2)情報のRSS(XML)配信への移行を促す:

情報の表示にはRSSリーダーを使うため、情報の発信手段自体はRSS配信に対応しているものであれば(検証は必要だが)既存のブログ等を利用すれば問題はないでしょう(新規に開発する必要はなさそうです)。
しかもこの方法だと、デジタルサイネージ以外にもブログとして、一般ユーザーのRSSリーダー、携帯電話で閲覧が可能なので―ワンソース・マルチユース―情報の汎用性が高まります。

同時に、デジタルサイネージ向けに作成する記事の配信以外にも、他の機関の情報も配信することを念頭に置きたいです。
例えば市役所の広報、天気情報、交通情報、バスの接近情報、毛色を変えて市民の投稿写真なども。
市役所などにおいては、未だに情報がRSS配信されていないため、この企画のメリット、RSS配信自体の長期的なメリットを紹介するのも一つの手かもしれません。

■(3)(4)、デジタルサイネージ表示機器の概要

(3)消費電力とコストを考慮したデジタルサイネージ機器の構築:
デジタルサイネージの表示機器については現時点で大まかに分けて以下の2つが必要になります。

液晶モニター
・PC

液晶モニターに関しては、場所によりいわゆるPC用のモニターや公共施設にある大きなモニターなど、必要に応じて導入する必要があります。これはD-sub端子などやDVIが付いているものであれば問題ありません。
これに関しては、モニターそのものの値段がかかってしまいますが、逆に言うと、「新規購入しなくても既存のモニターを使える」というメリットがあります。

PCに関しても、既存のもので何とかなるような方法を考えます。
ただし、それに加え今回は研究の材料として、Linux対応の「SheevaPlug(*)」の検討をしたいと思っています。
これは、先述の「導入コスト」と「消費電力」の点で大いに役に立つ可能性があるからです。
更に省スペースなので、モニタの裏に貼り付けておく、という実質モニタのスペースのみでの設置が可能という点も大きなメリットです。

(*)SheevaPlugについて:

SheevaPlugは「プラグコンピューティング」の概念に沿ったLinuxマシンです。その特徴として以下のものが挙げられます。
(引用:http://notepad4yu.wordpress.com/2009/05/18/sheevaplug-%E3%81%AE%E6%89%80%E6%84%9F%E3%81%A8%E4%BB%8A%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E3%81%BE%E3%81%A8%E3%82%81/)
これには安価なデジタルサイネージの構築に繋がる可能性が秘められています。

・低価格 ($99 + 送料)
・低消費電力 (24 時間運転でも電気代があまりかからない)
ファンレス
・ホームサーバとして十分な性能を持つ CPU (1.2GHz) と、十分なメモリ搭載量 (512 MB)
・ケースの中にちゃんと収まっている (ボードむき出しじゃない)
・USB, 1GbE, SDIO, Serial console, JTAG を標準搭載
・ Kernel.org で配布されているカーネル (2.6.30 以降) をそのまま使える
 (安心してカーネルバージョンアップに追随していける)

但し、課題としてディスプレイ出力をUSBの機器で構築しなければならない点が挙がっています。
ですが上記のことは可能だという報告もあるので、情報を収集しながら導入を検討します。

(4)有線でネットが繋げない地域向けにはWiMAX等、モバイルインターネット回線を採用する:

SheevaPlugは有線LAN端子が付いているので有線接続は問題ありません。
ですがもし、有線LANが使えないような場所に機器を設置する場合はe-mobileWiMAXなどのモバイルインターネット端末が必要になります。
これはWiMAX回線の実験としてNCVと共同の実験として展開することも可能なのではないでしょうか。
SheevaPlugはドライバ等の課題はありますが、幸いUSB端子がありますので検討材料としては有効なのではないかと思います。

■その後の展望

函館の要所における「函館バス運行状況」の端末のように、タッチパネルで操作できるインタラクティブ性を活かしたデジタルサイネージなどの可能性も探っていければと思います。

■最後に

以上が今回の企画なのですが、何分私が文系学生でプログラム等が全くできない状態なのが致命的な部分ではあります。
これが、どういうことがどれだけできるのかわからず手探りの状態からの企画だということを許していただきたいのです。

長い間函館で生活していて、常に「ここがこうだったら便利になったり面白くなるのになあ」とか、「こういう便利なものって作れないかなあ」と思っていたのもあり、その延長で理系を志して高専を受験したという過去もあります。
その頃の理系(特に工学系)的な好みを持ちつつも、まちづくりにおける文系的アプローチの可能性、その上で理系とのコラボレーションを夢見ていたことが今に繋がっているのは間違いありません。

今後、何らかの形で函館に戻り、そこで生活しようと思っている者の一人としてその可能性を考えたいという側面もある企画です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上、自分のやりたいことが伝わっていれば幸いです。